Staff Interview

あのSFのような、
夢の素材づくりに
貢献したい。

T.M.(製造技術)

日本アドバンスロール株式会社

製造部 鉄鋼グループ
2019年入社 / 工学部・機械工学科 卒

大学では機械系の研究室に入り、金属などの素材系の研究に取り組んでいました。素材への興味は、当時好きだったロボットもののSFアニメがきっかけ。そのロボットがどんな攻撃にも耐えられる素材で造られていて、そこから興味を持つようになりました。金属加工メーカーを経て、日本アドバンスロールに転職。会社見学の際には、そのスケール感に驚かされました。主力製品である鍛造ロールは、鋼板などの鉄鋼製品を製造する際、金属を押しつぶして伸ばす役割をするものであり、製鉄メーカーには必要不可欠なプロダクトなのですが、大きいものになると1本の鍛造ロールの重量が70トン超にもなります。目の前で途方もないサイズの鋼の塊がプレスされ、真っ赤に熱され、精密に研磨・加工されていく…。その光景を目の当たりにし、技術者として胸がときめきましたね。私が担当することになったのは、そんな鍛造ロールをプレスして大まかな形状を造る鍛造工程の製造計画を作成する製造技術職。巨大な鋼の塊を叩いて伸ばしてロール状にしていく際、どのような作業工程でプレスするか、さらにプレス加工の前後の炉加熱という工程において、どのくらいの温度でどれほどの時間をかけて熱するかといった各種条件を計算します。もしも、数値を誤れば鍛造ロールが割れてしまったり、形状不良、あるいは強度不足で売り物にならなくなるという、責任重大なポジションです。

鍛造ロールの売値は1本数百万円から数千万円もしますので、失敗はそのまま、会社への打撃になります。しかし、私の入社前から、とある製法でつくられた鋼塊のロールの内部に欠陥が検出されるという問題が起こっていました。当時、製造部内の会議で上がっていたのは、「十分にプレスが掛けられておらず、中の空隙が潰しきれていないのではないか」という意見。でも、その説に対して私は懐疑的でした。それは日頃、生産ラインのスタッフとコミュニケーションを取る中で、他の製法時よりもむしろプレスを掛けているという声を聞いていたから。私は「思いきって製品を切断し、原因を究明しましょう」と提案。これまでは内部欠陥へのアプローチは超音波を使った非破壊検査を行っていたのですが、この提案を承認してもらい、検証を開始。また解析ソフトも新たに導入して実証を進めた結果、定説とは逆にプレスを掛けすぎた結果、内部欠陥が起きていたことが判明しました。現在、この問題は解消され、その年の年末表彰をいただくこともできました。新しい提案を歓迎し、結果が出ればしっかりと評価してくれる。経験を積み、技術を高めていくのに、日本アドバンスロールはとても好ましい環境だと思います。今後はさらに高品質で、強度の高い鍛造ロールを製造できるように修練したい。最高の鉄鋼製品を造るには最高のロールが不可欠ですからね。どんな攻撃にも、びくともしない。あのSFアニメのロボットのような、夢の素材づくりに貢献できたらと思います。