Works & Persons

仕事と社員を知る
グループの力を集めれば、
自分たちもお客さまも
強くなれる。
加納 真史
Masashi Kano
東京貿易マテリアル株式会社 
資材本部 デジタル事業推進グループ グループマネージャー
2010年入社 法学部 国際政治学科卒

加納が就職活動を行っていた2008年~2009年は、リーマンショックの影響による、いわゆる就職氷河期の時期であった。そんな厳しい状況においても「海外と日本をつなぐ仕事がしたい」という軸をブラさずに商社を目指す。東京貿易グループから2社の内定を獲得、原料や資材の輸出入など、海外とのビジネスが盛んな東京貿易マテリアル(TML)への入社を決断した。趣味は日本中、世界中を旅すること。合気道の有段者でもある。

グループシナジーを活かした新サービスをカタチに。
「耐火物残厚測定システム」の事業化。

加納は入社後、京浜地区にある大手鉄鋼メーカーの製鉄所を担当することとなった。初めてのアポイントで川崎へ。遠目にも高炉の威容には圧倒される。東京都心から目と鼻の先に、こんなにも大スケールの施設があったとは!その“もの言わぬ巨人”から、日本の産業を支えてきた圧倒的プライドが伝わってきた、と加納は回想する。
「TMLには、資材、資源・エネルギー、鉄鋼の大きく3つの事業があって、私は一貫して資材本部に所属してきました。鉄鋼や特殊鋼などの製造工程に不可欠な耐火物を輸入し、内資メーカーに納めるのが主なミッションです。現場を回って“素材をつくるための素材”を売る地道で泥臭い仕事ですが、使命感とやりがいは十分です」。
それから7年後、加納は千葉営業所で営業所長を任されていた。ある日、合金鉄を製造するお客さまから彼の元に一本の電話が入る。
「しばらく前に紹介してもらった、炉内のレンガの減りがわかる三次元カメラ、あれを改めて提案してほしい」。
TMLの資材本部ではまさにその時、耐火物の輸入販売に続く第二の柱として「耐火物残厚測定システム」の事業化に向け、グループ会社の東京貿易テクノシステム(TTS)と協働で検証を進めているところであった。
「わかりました!すぐに伺います」。
1000度を超える高温の“鉄の湯”から炉を守るために使われる耐火レンガは、膨張収縮や化学侵食による損耗が激しい素材で、一定残厚を下回ると炉内が破裂し、大事故につながる危険性がある。ゆえに定期的に残厚を測定し、新しいものへと張り替える必要があるのだ。
「これまでは、炉を止め、内部が低温になったタイミングで一部のレンガを取り出し、人の手で計測していました。これを、自動車などの製造現場で培ってきたTTSの三次元測定技術を活用することで、いつでも安全かつ正確に残厚測定ができるよう変えていきたい、そう考えていました。そんな折でのお客さまからの引き合い。千載一遇のチャンスと、提案に飛んで行きました」。
無事加納らの提案は通り、TML初の「耐火物残厚測定システム」がお客さまに納入された。2019年9月のことであった。その後も加納は、新サービスとして事業化させるべく、営業を仕掛け、順調に受注を重ねていった。
「今は東京に戻り、デジタル事業推進グループのグループマネージャーとして組織化と提案の型化を推進しています。実際に成果も出始め、手応えを感じています」。

製造現場のDXを推進することで、
技術立国・日本の復権を世界に示したい。

「耐火物残厚測定システムのサービス化は、製造現場のDX推進に向けたとても重要な一歩だと思っています」。
加納が思い描くのは、オールドインダストリーの再生。AIも含めた現場のデジタル化を推し進め、お客さまのBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)に寄与していくこと。
「人手不足や高齢化、技術承継など、日本の製造業が抱える課題を解決するきっかけになりたい。そして、世界における日本のプレゼンスを一緒に上げていきたいですね」。

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